ワクチンを打った後に死んだら

80代のご両親が来院して、こんなことを言う。
「4年前、息子が亡くなりました。5回目のワクチンを受けた1週間後に。
いつもなら昼頃に起きてきて食事を食べたりするところ、全然起きてこないので、部屋を見に行くと、冷たくなっていた。ワクチンのせいだと思って健康被害救済制度に申請したけれど、否認されました。
納得できない。
息子は44歳。健康とは言えなかったかもしれない。長らく精神科の薬を飲んでいて、血圧とかコレステロールの薬とかいろいろ飲んでいて、仕事に行くこともなく、夜遅くまでネットで何かしてるような生活で、健康とは言えなかった。それでも、私たちの大事な息子だった。
いつも睡眠不足で、無理やり起こすと嫌がるから、息子の部屋に私たちが入ることはない。その日も、寝てると思って、あえて起こしに行くことはなかった。それでも、夕方まで起きてこないなんてことは普通はないから、夕方にドアをノックした。『ご飯ができたよ』って。返事がないから、ドアを開けた。
12月26日。冬の寒い日で、すっかり冷たくなっていた。
前日、25日の昼が、生きているあの子を見た最後。いつも昼の食事は自分で作る。夜は私が作ったのを一緒に食べることが多いけど、25日の夜は部屋から出てこなかった。
普通に生活していたのに、ワクチンを打った1週間後にいきなり死んだ。明らかにワクチンのせいだと思った。それで申請したけれど、否認された。
それで、どのような審議が行われたのか、国に開示請求をした。すると、二人の審議員のうち、ひとりは『ワクチンの可能性を排除できない』として認定の意向だった。しかしもう一人が『ワクチンが原因とは考えられない』という意見で、その人の意見が通って、『否認』という結果になった。
あり得ない。
それで鵜川さんに相談して、ここを紹介されました」


人生の終盤になって、我が子にいきなり先立たれるというのは、いったいどのような気持ちがするものだろうか。すでに、息子さんの死去から4年が経過している。感情として、生々しい部分はある程度風化している部分はあるかもしれない。それでも、かわいい我が子である。感染症を防ぐためによかれと思った医療行為により、突然死した。国が推奨しているワクチンである。医者もメディアも大いに推奨している。そのワクチンを受けた1週間後、急に息子はどこかに消えてしまった。なぜなのか。4年経っても、どれだけ時間が経っても、納得できない。その気持ちは分かる気がした。

以前、同様の依頼を受けたことがある。
予防接種健康被害救済制度に申請したものの、却下された。
僕が意見書を書き、再度申請したところ、なんと、判定が覆り、『認定』された。
https://note.com/nakamuraclinic/n/n53d332cbb4c8
別に自分のおかげだとは思っていない。そもそも審議の内容は基本的に非公開であり、何がどう評価されて判定が覆ったのか、本当にブラックボックスなのだ。
コロナワクチンのリスクについて、世間も徐々に理解し始めていて、審査員もその風潮を感じていたので、『認定』を出しやすかったのかもしれない。あるいは、僕の意見書が多少なり力を持ったのかもしれない。それは分からない。ただ、同じような苦しみを抱えているワクチン遺族にとって、僕が一体どのような意見書を書いたのか、この手の情報は公開したほうがいいかもしれない。別に企業秘密でもあるまいし。

【医師意見書】
「F氏は1978年12月14日生まれで、2022年12月19日に新型コロナワクチンの5回目を接種した。翌日より発熱、接種部位の疼痛が出現し、接種側上肢の挙上困難があった。接種6日目、食欲減退が見られたが、そのうち回復すると考え、医療機関を受診しなかった。接種7日目の2022年12月26日午後5時頃、自室で側臥位で倒れているところを家人が発見、救急要請したが、近医大学医学部付属病院で死亡が確認された。死体検案書に記載の死因は、『循環器疾患(推定)』である。享年44歳。
 
F氏のコロナワクチン接種歴は以下の通りである(回数、接種日、メーカー。ロット番号)。
5回目 2022/12/19 ファイザー GJ2674
4回目 2022/8/30 モデルナ 000248A
3回目 2022/3/24 ファイザー FN2726
2回目 2021/7/30 ファイザー FC9873
1回目 2021/7/9 ファイザー FC9880
 
F氏の両親は、ワクチン接種から1週間後の死亡であることから、「死亡はワクチンが原因ではないか」と疑い、予防接種健康被害救済制度に基づき死亡一時金の請求を行ったが、障害認定審査会は「(接種と死亡との)日数が離れている」として、この請求を退けた。なお、審査会のなかには「認定」と考える委員もいて、判断は割れていたが、最終的に「否認」に至ったという経緯がある。
これについて小医(中村)の意見を述べる。
 
過去の予防接種禍の国家賠償請求訴訟において、白木四原則が定式化されている。それは、
①ワクチン接種と予防接種事故とが、時間的、空間的に密接していること
②他に原因となるべきものが考えられないこと
③副反応の程度が他の原因不明のものによるよりも質量的に非常に強いこと
④事故発生のメカニズムが実験、病理、臨床等の観点から見て、科学的、学問的に実証性があること
である。
以上の4点につき、F氏の事例を考えてみる。
①接種後に発熱、倦怠感、食欲不振などの症状があり、接種7日目に死亡という一連の流れは、少なくとも「接種と無関係とは言い切れない時間関係」だと考える。
特に、コロナワクチン接種後の心筋炎については、CDC(米国疾病予防管理センター)や厚労省も起こり得ることを認めており、接種後数日~1週間程度で出ることが多いため、時間軸としては矛盾しない(【参考文献】を参照)。
 
②突然死の原因として一般によく挙げられるものとして、虚血性心疾患、不整脈、肺塞栓、脳血管障害、睡眠時無呼吸、アルコールなど多数の可能性がある。
F氏は精神疾患(躁うつ病、うつ病、統合失調症、ADHD)、脂質異常症、高血圧症、脂肪肝、不眠症、睡眠時無呼吸症候群の診断を受けており、それぞれについて服薬および対処を受けていた。具体的には、精神疾患に対しては、アナフラニール、トリンテリックス、エスタゾラム、コントミン、レボトミン、ストラテラ、脂質異常症に対して、フェノビブラート、高血圧症に対してビソプロロール、アムロジピン、不眠症に対して、サイレース、ルネスタ、セルシンの投薬を受けており、睡眠時無呼吸症候群に対してCPAP療法を受けていた。
服薬コンプライアンスは不明だが、ビソプロロールの急な中断は突然死のリスクとなり得るし、睡眠時無呼吸も突然死のリスク因子ではある。しかしこれらによる突然死は極めて稀である。つまり、「他の原因がない」とは言えないが、これらを突然死の原因として積極的に疑うことは通常ない。
 
③発熱、倦怠感は接種後の副反応として一般的である。しかし、それらの症状の発症とその数日後の突然死まで含めると、通常の軽度の副反応を超えている可能性がある。特に、寝ている間の突然死は、不整脈性イベントを疑わせるため、心筋炎が存在したならば整合的だと言える。
 
④mRNAワクチン接種後の心筋炎、心膜炎はすでに医学的に認知された副反応である。特に若年男性や中年男性で多いことも知られている。従って、「ワクチン→心筋炎→致死性不整脈→突然死」というメカニズム自体には、一定の科学的妥当性がある。
 
上記①~④を総合すると、②の「他原因排除」は十分ではないものの、①の「時間的密接性」が存在し、③の「症状の重大性」はすでに一般に認知されているし、④の「機序の妥当性」も認められる。
 
つまり、F氏の死亡について、白木四原則をほぼ満たしており、ワクチン接種との因果関係を積極的に疑う余地があるものと考える。
もちろん、因果関係の「確定」には病理学的裏付けが必要だが、剖検がないため、その確定をとることはできない。
しかしそもそも、予防接種健康被害救済制度という法律の主旨は、「科学的に100%証明ができなくても、広く救済を行う」ことにある。厚労省の制度説明でも、「予防接種と健康被害との因果関係が「医学的に否定できない」と判断された場合」に救済対象となるとされている。
 
このような制度の主旨に鑑みても、請求が「否認」されたことは不合理である。また、ご家族としても、やりきれないものがあると私は考えている。
F氏の死亡について、ぜひとも再度、審査を行っていただきたいと希望している。
  
 
中村篤史
ナカムラクリニック院長
神戸市中央区元町通4丁目4-8タイムスビル7階」

白木四原則を骨子として、実に、ロジカルではないですか?
最近、ワクチン後遺症の実態はますます明らかになっていて、白木四原則を補強するデータに不足はない。【参考文献】は枚挙にいとまがなく、むしろ選別が必要なほどだ。
文章のうまさは必要ない。「審査員の情に訴える」みたいなパセティックなアプローチもいらない。
過去の裁判判例でも基準とされる白木四原則に照らして、F氏の死亡は「どう考えてもワクチンが原因としか考えられない」ということを、審査員に納得してもらえばいい。

そう、本来すごくシンプルなはずなんだけど、そのシンプルなことが、コロナワクチンの認定においては、なぜか異様にハードルが高い。そこに僕は、やるせなさと無力感を感じます。ご両親と同じ気持ちです。
カラスが黒いことの証明を、光学的な観点から、あるいは、人間の後頭葉での画像処理の観点から、あるいは、「黒とは何か」という哲学的な観点から、証明することを求められているような、とんでもない茶番に付き合わされている感じがあって、意見書を書いている僕自身、本当はモヤモヤしているのです。
できることなら、審査員の胸倉をつかんで、こう叫びたい。
ワクチンを打った1週間後に死んだんやぞ!ワクチンが原因に決まっとるやんか!

>中村篤史について

中村篤史について

たいていの病気は、「不足」か「過剰」によって起こります。 前者は栄養、運動、日光、愛情などの不足であり、後者は重金属、食品添加物、農薬、精製糖質、精白穀物などの過剰であることが多いです。 病気の症状に対して、薬を使えば一時的に改善するかもしれませんが、それは本当の意味での治癒ではありません。薬を飲み続けているうちにまた別の症状に悩まされることもあります。 頭痛に鎮痛薬、不眠に睡眠薬、統合失調症に抗精神病薬…どの薬もその場しのぎに過ぎません。 投薬一辺倒の医学に失望しているときに、栄養療法に出会いました。 根本的な治療を求める人の助けになれれば、と思います。 勤務医を経て2018年4月に神戸市中央区にて、内科・心療内科・精神科・オーソモレキュラー療法を行う「ナカムラクリニック」を開業。

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