【症例】70代男性
【主訴】前立腺癌
【現病歴】2023年1月頃からお尻のあたりに違和感があり、やがて痛みで座れなくなったことから病院受診し、血液検査にてPSAが2500と異常高値、また画像所見から骨転移(腰椎などに3か所)を伴う前立腺癌と診断された。
治療として、3か月に1回、ホルモン剤(ゾラデックス(GnRH製剤))の注射を開始した。
また、今後の治療方針として主治医から「骨粗鬆症はほぼ必発だから、その兆候が見られたら月1回治療の注射を始める。また、ホルモン剤はいずれ効かなくなるから、そのときは抗癌剤に切り替える」との説明を受けている。
4月18日より娘さんから有機ゲルマニウムを勧められ、服用開始。
【PSAの推移】
187 (2023/5/16), 43 (2023/6/13)
2023年6月30日、娘さんに付き添われ当院初診。
「現状、座っても痛くありません。腰痛も消えた。PSAも落ち着いている。ただ、注射が効いたのか、ゲルマが効いたのかは分からない。同じようなタイミングで始めたので。
骨粗鬆症の注射はできれば受けたくない。いろいろ調べると、顎骨壊死の副作用があるというので。
コロナワクチンは、娘に止められて、受けませんでした。
お尻の痛みはないけど、違和感はある。座ったときに、クッションが一枚はさまっているような。でも日常生活は今のところ特に問題なく、仕事もできています。
ただ、ホルモン剤はいずれ効かなくなると言われているし、認知症とか副作用があるというので、今の治療を続けていいものか、相談に来ました」
前立腺癌の治療には嘘が横行している(癌治療全般に言えることだが)。
なんとなくの世間のイメージとして、
「前立腺癌=男の病気=テストステロン(アンドロゲン)が悪い」
「乳癌(卵巣癌)=女の病気=エストロゲンが悪い」
というのがあるけど、前者は明確に間違いで、後者は(だいたい)正しい。
テストステロンは、加齢に伴って一貫して減少することが確認された最初のホルモンです(Vermeulen 1972)。テストステロンが前立腺癌の原因ならば、加齢に伴って前立腺癌の発生は減少するはずです。しかし実態はむしろ逆です。
ネズミの実験によると、前立腺癌の原因はテストステロンではなく、エストロゲンです。

すでに1980年代には前立腺癌にエストロゲンを投与しても、生存期間の延長にまったく寄与しないことが明らかになっていたけれど、エストロゲンは長らく投与され続けてきた。癌に効かないばかりか、血栓症による脳卒中、心臓発作(血管痙攣)、喘息、睡眠障害など多くの副作用があって、この治療は文字通り、有害無益だった。
実際のところ、エストロゲンは生殖のために一時的に必要な以外、総じてろくな働きをしない疾病ホルモンです。前立腺癌はもちろん、乳癌や子宮癌を起こし、甲状腺機能を抑制したり、セロトニンやヒスタミン、コルチゾールなどのストレスホルモンの増加を促します。
前立腺癌の治療に際しては、いかにエストロゲンに拮抗するホルモンを増やすかがポイントで、具体的には、甲状腺ホルモン、プロゲステロン、プレグネノロン、テストステロン、ビタミンAあたりが重要です。
疫学研究が出そろって、エストロゲンの前立腺癌に対する無効性(あるいは有害性)が明らかになり、もはや嘘をつき通せなくなった製薬会社は、新薬としてGnRH製剤を売り始めました。エストロゲン製剤ではないものの、テストステロン抑制効果を謳っている時点で、これまた当然無意味です。そもそも前立腺癌患者において、テストステロン値が高い患者ほど予後良好なのです(Wilson et al., 1985)。テストステロンを下げたって何のメリットもありません。下げるとどうなるかというと、たとえば、上記患者が懸念する通り、認知症になります。

だから僕としては、「ホルモン製剤はやめたほうがいい」と助言する。しかし患者は不安です。事実として、ホルモン製剤を使い始めてからお尻の違和感が軽減し、PSAも見事に低下した。「効いた」という確かな実感がある。現状、幸いにも認知機能低下とか、そういう副作用は出ていない。ホルモン製剤が効いたのかゲルマニウムが効いたのか、同時期に始めたので、どっちが効いたのか分からない。「自分の命を支えているのは、ホルモン製剤とゲルマニウム。これが二つの柱」という感じだ。だから患者は「とりあえず現状維持で様子を見ます。副作用が出たらやめることも考えます」となる。当然、僕としても無理にやめさせるようなことはしない。
2023年9月22日再診
「薬が一種類増えました。ビカルタミドというアンドロゲンを抑える薬です。でも副作用が怖いので、主治医には黙って、量を半分にしています。
調子はいいけど、ときどき体が熱い。ホットフラッシュっていうのかな、尋常じゃないくらいに体がほてる。そういうのもあって、薬を半分にした。
お尻の痛みはないし、腰の痛みも9割方なくなった。食事もおいしいし、問題ありません」
そもそもアンドロゲンを抑えることに意味がないのだから、注射だろうが内服だろうが、等しく意味がないのだけれど、前立腺癌の標準的な治療として、GnRH製剤とアンドロゲン受容体抑制薬の併用はよく行われている。

しかし、分子構造にこんなにフッ素を大量に含む薬が、体にいい理屈はない。「この手の薬、意味がないですよ」と一応伝えたけれど、主治医との関係性もあるので仕方ない。せめてもの毒消しとして、ヨウ素の服用を勧めた。
2024年12月6日再診
「朝起きると、手がこわばる感じがあって、体が固い。あと、誤嚥しやすくて、よくむせる。食事の際、においが以前ほど分からない。味は分かる。でも、においに鈍感になった。薬のせいかもしれないと思って、内服薬を3分の1に減らした。
筋力が明らかに弱ってて、つまずくことが増えた。筋肉を保つために運動したいけど、仕事を終わって家に帰れば、もうヘトヘト。そこから運動なんて、気力がわかない」
リウマチっぽいような、パーキンソン病のような、妙な雰囲気が漂ってきた。
「内服薬もそうだし注射もそうだけど、今ご自身が服用中の薬が、どういう作用をしてるか分かりますか。それは男性ホルモンを抑える薬です。すると、筋力が減るし骨密度も減ります。いろんなリスクがあります。少なくとも、内服薬はもう、やめてもいいんじゃないですか」
薬の副作用が前面に出始めると、本人の納得も得やすくなる。僕が無理やりやめさせるのではなく、本人の理解と納得が重要です。気力回復のために、ナイアシンを勧めた。
2025年3月7日再診
娘さんが言う。「父は薬を飲まないことが怖いって言います。でも前回の受診以後、内服薬をやめました。ヨウ素を飲みだしたことで、毎食後のほてりがすごく減りました。ほてって、異常に汗をかいていたのが、ヨウ素でだいぶ治まった。今は薬をやめて、ほてりは完全に消えました。
ナイアシンは飲むとよく眠れます。私も飲んで、いい感じでした」
2025年9月26日再診
娘さんが言う。「父は昔から山登りが好きで、若いときは北アルプスによく行っていました。先日、体慣らしとして、近くの山小屋まで登ろうとしたのですが、全然歩けなかった。筋力の低下が、家族の思ってる以上で、本人もショックを受けて帰ってきました。
血液検査とか画像では、癌は確かによくなってる。でも、足もろくに上がらない状態で、やっぱり注射の影響が大きいのかなって、私は思いました。
でもお父さん自身は、安心のために注射を打ちたい。でもこのペースで注射を続けたら、自分の好きなこともできなくなるんじゃないかな。
それで、家族で話し合いました。『お父さん、どういう生き方がしたいの?』って。注射でこんなに筋肉が落ちて、好きなこともできないなら、打たずに好きなことを続けた方がいいんじゃないの?って。
親戚の医者に相談すると、『注射と筋力低下は関係ない。年齢によるものだ』と。注射を一度やめたいというと、『自分で判断するのは絶対にダメ』って」
2025年12月5日再診
娘さん「3日前の血液検査で、PSAがわずかに上がってる。注射を続けてるのに数値が上がりだしたことで、父は動揺してます。
明らかに疲れやすくて、すぐに息切れします。これまで体力維持のために運動してきたのですが、すっかり消耗して、体力維持どころじゃない。誰がどう見ても、よぼよぼのおじいさんって感じです」
本人「これまでも『次は打たないでおこう』と何度も思った。でも、前日になると『やっぱり打つべきだな』と自分で理由を考え出してでも、打ちに行ってしまう。『この注射のおかげで助かっている』と思うと、打たないという選択が怖い。それで死んだら、どうしようもないので」
2026年3月27日再診
本人「今回初めて、ホルモン注射の予定をスキップした。本来は2月20日に打つはずのところ、打たず、1か月が経った。それで、体がどう変化するか見てみた。
体が明らかに軽い。筋力が戻って来て、気持ちが前向きになってきた。自分から軽いストレッチをしようとか、運動したいと思える」
妻「会社では夫が一番元気です。若い人よりも快活です」
2026年7月3日再診
「注射を打ってない分、体が動きやすい。足があんなに重かったのが、嘘みたいに軽い。お尻の違和感は多少あるけど、PSAは1以下だし、MRIでは異常なしと言われた。
海の仕事なので、船から陸にジャンプしたり、クレーンの操作とか、手足の力が欠かせないけれど、まったく問題なくできている。
以前、登山にチャレンジしようとして、山小屋にさえ行けなかったことがショックだった。もう一回行って、リベンジしたい。
先生、初めてここに来たときには言えなかったけど、今だから言えることがある。2023年1月主治医から前立腺癌だと告知されたとき、「余命半年」だと言われた。あまりにもショックで、受け入れたくなくて、これは中村先生にも言えなかった。何とか治りたいと思って、主治医の言われるがままに治療を受けた。でも、余命半年と言われたのに、半年どころか、3年半年経ってもまだ生きている。今なら分かりますよ。ホルモン剤のおかげではない。ゲルマニウムのおかげだと思います」
ホルモン剤注射とゲルマニウムをほぼ同時に開始したことで、どちらが効いてるのか分からなくなった。それで、ホルモン剤のやめどきを見失い、副作用(筋力低下、意欲低下)で長く苦しむことになってしまった。しかしそんな経験を経て、最終的にはホルモン剤の注射をやめた。賢明な判断だと思います。
前立腺癌にゲルマニウムが著効することについては、以前の記事にも書いたことがある。
↓東京都獣医師会元会長の体験談
https://note.com/nakamuraclinic/n/nc4b2770b8837
この人も、ゲルマニウムとエストロゲン製剤を同時に飲み続けたが、実際のところ、「一方は薬で、もう一方は毒」だった。
毒は飲まずに、ゲルマニウム1本に絞ったほうが効果が高いのは当然のことだ。
同じような症例は複数ある。
【症例】70代男性
【主訴】前立腺癌
【現病歴】2023年11月頃より腰から右足にかけてしびれと痛みを感じるようになった。痛みのせいで食欲が低下し、排便時に力が入りにくくなった。毎朝テニスを40年以上続けてきたが、2024年1月に入り、そのテニスもできなくなった。
痛みに対して近医にてブロック注射をしていたが効果は一時的で、根本的な解決にならない。同じ頃より倦怠感が強くなり、頻尿が悪化し、失禁パッドが必要になった。2024年1月15日血液検査でALPが1400以上と異常高値が見られたことから、総合病院に紹介され、1月20日精査したところ、その時点でALPは2400とさらに上昇し、またCT、骨シンチグラフィーにて癌の転移巣が見られ、前立腺癌を原発巣とする骨転移と診断された。
ホルモン療法、抗癌剤などの標準治療について主治医から説明を受けたが、「それをやる前に」ということで息子さんに連れられ、2024年3月2日に当院初診となった。
コロナワクチン3回接種済み。
本人「11月頃から食欲が落ちて、体重は56kgから47kgと急激にやせた。食事はいつも朝はパンと牛乳だったけど、癌によくないと聞いて、最近やめた。
コロナワクチンは3回打った。特に副作用は感じなかった。
今、ホルモン抑制剤(イクスタンジ錠内服、リュープリン注射)で経過を見ています。主治医からは「これで進行するようなら抗癌剤を使う」と言われています」
まず、この癌の原因をどう見るか?
コロナワクチン3回目接種ということで、接種後のターボ癌と考えるなら、治療はワクチンデトックスを意識したアプローチということになる。
しかし、接種と関係がない可能性もある。癌以外の原因で死亡した高齢者の死後解剖をしたところ、男では前立腺癌、女性では乳癌が多かった。でも、彼らは自分の体内に癌があることを認識せず、別の原因で亡くなっていった。高齢者の癌の多くは「単にそこにあるだけ」で、具体的に症状を起こすわけではない。何も悪さはしない。こういう癌は放っておいてもかまわない。というか、見つけちゃいけない。下手に「早期発見、早期治療」なんていうフレーズに騙されて、検査して見つかってしまうと大変なことになる。生検して、病理を見て、「悪性腫瘍ですね」なんて言われて、ひどいストレスを受けるし、抗癌剤や手術やホルモン剤とか、変な治療が始まって、治療のせいで寿命が縮むことになる。見つからなけりゃ、平穏無事な余生を過ごせたのに。
しかしこの患者の場合、具体的な症状があっての病院受診だから、そこは仕方ない。
前立腺癌の発生や増殖にコロナワクチンが影響したのかどうか、そこは不明だけれども、僕としては、いろんな可能性を念頭においてアプローチする。
原因が何であれ、まずはゲルマニウム。経口で飲むのはもちろん、点滴も併用する。あと、クランベリーのジュースを飲んだり、ヨウ素のサプリも適宜補う。安曇野乳酸菌も飲もう。
あと、当然ながら、ホルモン抑制剤はやめたい。認知症などのリスクを説明し、本人の納得があれば中止するが、やめることに不安があるなら無理強いしない。「併用で全然オッケーです」と伝える。
2024年4月13日受診。
「体調はいい。前来たときよりも、すこぶるいい。
体のだるさ、足の痛みやしびれが治りました。階段も普通に歩けます。
もともとテニスが好きだったけど、できればまたテニスを再開したいくらいの気分です。病気になる前の元気さです。
初めてビタミンCとゲルマニウムの点滴を受けたとき、その帰り道で、すごく元気が出た。目のかすみが消えて、視力が上がった。
前来たときは声がかすれていて、歌うことなんてできなかった。でも今、ときどきカラオケに行ってます。
ただ、主治医からは、ランマークを勧められています。私が「最近調子がいいので、抗癌剤はできればやりたくないのですが」というと、主治医から「死にたいならどうぞ」と言われた。「調子がいいからこそ、抗癌剤に耐えられる。ランマークは、顎骨壊死の副作用があるので、悪い歯が残っていると顎が腐る。だから、事前に、ぐらついてるような歯は歯医者で抜いてきてください」と。この薬は骨粗鬆症にも効くということで、骨密度も低下しているし、やったほうがいいでしょうか」
当然必要ない。ランマークもそうだし、ビスホスホネートのような骨粗鬆症治療薬も、飲むべきではない薬だと思っている。この手の薬は、破骨細胞の働きを止めます。でもこれって、本来不自然なことです。骨は破骨細胞と骨芽細胞のせめぎ合いで成り立っているのに、そこに薬で介入するわけだから。
人間の体は、常にスクラップ&ビルド(破壊と創造)を繰り返している。たとえば、この皮膚。28日周期でターンオーバーする。つまり僕の皮膚は、28日後にはまったく入れ替わってる。腸の上皮は3日で入れ替わるし、脳や心臓も入れ替わる。動かないように見える骨や歯だって数年かけて入れ替わる。
「ゆく川の流れは絶えずしてしかも元の水にあらず」という古文がある。鴨川を構成する水は、常に入れ替わっている。それでも、鴨川は鴨川であり続けている。「変わり続けることで、変わらない」そういう流動的な形態が、生命の本質のようなんだ。福岡伸一はこれを『動的平衡』と呼びました。
ランマークを飲むのは、いわば、鴨川の流れをせき止めるようなものです。流れることこそ生命の本質なのに、その本質に逆らう薬です。だから、当然、淀みが起こります。顎骨壊死など、骨が腐るのは、副作用というか、当然起こる主作用です。
この方は今も元気です。テニスを再開したのはもちろん、最近ではオペラ歌手(!)として舞台に上がるほど元気にしておられます。毎日のゲルマニウム内服と月1回のゲルマニウム2g+ビタミンC50gの注射を続けていますが、いわゆる標準治療は受けていません。
【症例】70代男性
【主訴】前立腺癌
【現病歴】お尻に違和感があったことから2023年9月病院受診し、血液検査でPSA高値を指摘され、MRI撮ったところ、腫瘤影が見られた。生検すると6か所のうち2か所から癌細胞が見つかったため、前立腺癌と診断された。
2023年12月15日当院初診。コロナワクチン4回接種済み。
やはり、ゲルマニウムの内服と点滴を開始しました。
2024年11月19日再診
「体調は何も問題ない。食欲旺盛で、肉がおいしい。当初感じた前立腺の違和感は、今は全くない。娘が海外に暮らしているので、来月はそこに行ってきます」
「ゲルマニウムが癌に効く」といっても、正直なところ、ゲルマが得意とする癌、不得意とする癌があると思っています。
たとえば、胃癌はちょっと苦手な印象です。無意味とは言わないけど、ゲルマ単独で治療にあたるよりは、他のアプローチと併用で使いたい。
逆に、前立腺癌はゲルマの得意分野です。なぜこんなに効くのか、他の癌にはない特別な作用機序の存在を想定したいほど、よく効きます。