自分を超えたもの

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エドガー・ケイシー、カール・ユング、ルパート・シェルドレイク、ピョートル・ガリアエフ。
この4人に共通するのは、現象の説明に際して、「自分を超えたもの」を提唱したことにあります。
今日はこれについて話していこうと思うのですが、まず最初に、症例報告とか各論的な事例をいくつか挙げてみましょう。

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催眠をかけると、前世の記憶を語り始めたり、外国語を話し始める人がいます。それは、催眠がきっかけのこともあれば、何らかの病気による昏睡状態がきっかけのこともあります。

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これらの事例に共通するのは、催眠とか病気による昏睡で通常の意識がなくなったことです。
ここからは仮説ですが、通常の意識レベルが低下したことで、「理性の留め金」のようなものが外れて、それで彼らは、別の知的体系にアクセスすることができた。そこで、普通なら考えられないような能力を獲得した。たとえば、外国語を話せるようになった。

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外国語の習得ばかりではありません。急に数学の才能が芽生えたり、カレンダー計算ができるようになった人もいる。

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ジェイソン・パジェット氏は、脳震盪で意識不明になり、意識が戻った後、目に見えるものすべてが幾何学模様やフラクタル構造として見えるようになった。その後実際、数学能力を開花させ、フラクタル構造を表現するアーティストになった。自身の経験をTEDトークでも語っています。
オーランド・セレル氏は、野球ボールが頭部に直撃した後、カレンダー計算ができるようになった。いきなり「2005年7月23日は何曜日ですか」と聞かれても、即答できる。日本のテレビ番組でも何度か取り上げられたことがある人だから、ご存知の人もいるかもしれない。

世界的な作品を作るアーティストとか、この手の特殊能力を仕事に生かしている人は案外けっこういるんじゃないかな。

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てんかん発作のトランス状態がなければ、果たしてドストエフスキーが世界的な文豪になり得たかどうか。
あるいは、数学者ラマヌジャン。

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ラマヌジャンは特に持病はない。ただ、「夢の中で女神ナマギリが教えてくれる」として、常人には発想できない公式を多数残した。
藤原正彦氏「ラマヌジャンは、『我々の百倍頭がよい』という天才ではない。『なぜそんな公式を思いついたのか見当もつかない』という天才である。
数学や自然科学における発見のほとんどすべてには、ある種の論理的必然、歴史的必然がある。だから『十年か二十年もすれば誰かが発見する』ものである。たとえばアインシュタインの相対性理論は、アインシュタインがいなくても、二年以内に誰かが発見しただろうと言われる。
ところがラマヌジャンの公式群は、その大半において必然性が見えない。ということはとりもなおさず、ラマヌジャンがいなかったら、それらは百年経った今日でも発見されていない、ということである」

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エドガー・ケイシーは、自らを催眠状態に誘導し、相談者の質問に対して適切な助言をした。
僕は医者なので、ケイシーが提供する病気治療のノウハウには興味があります。僕の患者のなかに、ケイシー療法を実践している人が複数いて、「アップルブランデーの吸入」とか「ひまし油パック」のことはよく耳にする。

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ケイシーは「未病にはCAREが大事」と言っています。つまり、Cは循環、Aは消化吸収、Rはリラックス、Eは排泄で、特に「排泄の滞りが万病のもと」と説きました。これは僕も、完全に同意します。
トランス状態で入手した情報なのか、それとも単なる寝言だったのか、それは究極、僕には関係なくて、それが本当に役に立つかどうか、芯を食っているかどうか、そこだけが僕にとって重要です。その点で、ケイシー療法はいまだに全然古びていないと思います。

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ネズミに脱出経路を正しく覚えさせる実験をする。すると、ネズミは世代を経るごとに、失敗回数が減少した。
信じがたい実験結果なので、世界中で追試が行われた。追試の結果は、想像以上のものだった。

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百歩譲って、訓練したネズミの子孫で、学習速度が増加するのはまだわかる。訓練という体験が、何かしら未知の形式で、次世代に遺伝したのかもしれない。しかし、非訓練群のネズミでも学習速度が増加したのは、いったいどういうことか。これは遺伝という概念ではまったく説明がつかない。

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アオガラの牛乳泥棒についても、遺伝や「学習の伝播」では説明がつかないし、

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幸島のサルのイモ洗いが、ほぼ同時期に別のサル山でも観察されたことも、遺伝や「学習の伝播」では説明がつかない。

人間の世界においても、新しいアイデアや発見が同時多発的に起こる事例は複数あって、

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関孝和が微積分の概念を初めて公表したのが1674年、行列式のアイデアを初めて公表したのが1683年で、それからやや遅れて、ニュートンやライプニッツが同様の概念にたどり着いた。
日本と欧州、文化的な交流はない。しかしほぼ同じ時期に、世界で初めてのアイデアが同時多発的に生まれている。

シェルドレイクは、こうした現象を説明するために、形態場(morphic fields)という概念を提唱した。
https://note.com/nakamuraclinic/n/n606204f0d157

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ものすごく簡単にいうと、「誰かの経験や発見は、お空の上に保存されている」ということです。
脱出しようとして頑張ったネズミの経験は、お空の上に保存されている。だから、次世代のネズミはお空の上に保存された先代ネズミの経験にアクセスすることで、学習速度が速かった。

シェルドレイクが形態場という概念を発想した背景には、プラトンの『イデア』説や、ユングの『無意識』論があったと推測します。

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ちょっと話が反れるようだけど、スターウォーズがおもしろいのは、あの映画が人間の集合的無意識と心の元型(アーキタイプ)を刺激するからです。
ダースベイダーはルークのシャドウであり、葛藤するルークに知恵を授け、導くのが老賢者ヨーダの役割です。レイア姫は母性であり、グレートマザーです。
実際、ジョージ・ルーカスは、ユングの思想を神話学に応用した『千の顔を持つ英雄』(ジョーゼフ・キャンベル著)にインスパイアされて、この映画の脚本を書きました。
そもそも人間が物語に共感できるのは、人間誰しものなかに、シャドウがあり、老賢者がおり、グレートマザーがいるからです。

シェルドレイクは、究極、「記憶は脳にない」と説きました。

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「PCのデータがクラウド上に保存されているように、記憶は形態場にある。脳は、情報にアクセスするための受信機に過ぎない」

シェルドレイクは自説を証明するために、テレビ番組を使った大規模な実証実験を行いました。

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番組放送前に、特定の被験者に隠し絵を見せ、どれくらいの人が自力で見つけられるか、その正答率を調べます(ベースライン測定)。
たとえば、こんな隠し絵を見せます。

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何が見えましたか?
ほとんどの人は間違えました。正答率は9.2%でした。
ちなみに、正解は以下の模様です。

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この問題と解答を、テレビを通じて公開する。英国で800万人がこの番組を視聴したということは、800万人にこの記憶と知識がインプットされたということです。
さて、このテレビ番組を見ていない被験者を対象として、この隠し絵を正しく認識できるか、再びテストする。
その結果、なんと、正答率が18.2%とほぼ倍増していた。偶然ではあり得ない。統計的に有意な上昇です。

同様の試験を何度も繰り返した。たとえば、この隠し絵。

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何が見えますか。
ほとんどの人は正しく答えられません。正答率はせいぜい1割程度です。

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しかし数百万人がこの答えを正しく認識すると、その番組を見ていない人の正答率が跳ね上がる。

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シェルドレイクは、当初、「形態場は種によって異なる。人間には人間の形態場がある」と考えていましたが、飼い主の帰宅を察知する犬の研究などから、異なる生物種のあいだでも形態共鳴は起こり得ると考えるようになりました。

ケイシーの『アカシックレコード』、ユングの『集合的無意識』、シェルドレイクの『形態場』について見てきました。
次に、ガリアエフの『ハイパーコミュニケーション』を紹介します。

>中村篤史について

中村篤史について

たいていの病気は、「不足」か「過剰」によって起こります。 前者は栄養、運動、日光、愛情などの不足であり、後者は重金属、食品添加物、農薬、精製糖質、精白穀物などの過剰であることが多いです。 病気の症状に対して、薬を使えば一時的に改善するかもしれませんが、それは本当の意味での治癒ではありません。薬を飲み続けているうちにまた別の症状に悩まされることもあります。 頭痛に鎮痛薬、不眠に睡眠薬、統合失調症に抗精神病薬…どの薬もその場しのぎに過ぎません。 投薬一辺倒の医学に失望しているときに、栄養療法に出会いました。 根本的な治療を求める人の助けになれれば、と思います。 勤務医を経て2018年4月に神戸市中央区にて、内科・心療内科・精神科・オーソモレキュラー療法を行う「ナカムラクリニック」を開業。

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