癌とは何か?
スタンダードな現代医学では、「正常な細胞が遺伝子の突然変異により、無秩序に増殖を続ける病気(悪性腫瘍)」といった説明になる。
大体において僕は、「遺伝」とか「遺伝子」を持ち出してくる説明は好きではありません。なぜなら、「それを言われると黙らざるを得ない」からです。「遺伝子の変異か。それなら仕方ない」となって、医者に勧められるがままに、抗癌剤とか手術とか放射線などの治療レーンに乗るしかない。
僕は、食事改善とか生活習慣の改善とか、患者に努力の余地がある説明を好みます。だって、そっちのほうが希望が持てるじゃないですか。
たとえば100年ほど前、「癌はトロホブラストである」と説明した科学者がいました。

精子と卵子が結合すると受精卵になり、これが細胞分裂を繰り返す。そのようにしてできた外側の細胞層の一群は、後に胎盤になるのですが、この部分を特にトロホブラスト(栄養膜細胞)と呼びます。
発生学を研究していたジョン・ビアードは、このトロホブラストが、病理組織上、癌細胞とそっくり同じであることに気づきました。顕微鏡では見分けがつかないし、働きもそっくりでした。たとえば、トロホブラストは子宮壁に食い込み、浸潤、増殖する。癌と同じです。着床できる場所であれば特に場所を問わない点も、癌の転移能と似ている。つまり、トロホブラストは、浸潤能、増殖能、転移能など、癌の古典的性質をすべて備えています。
また、トロホブラストはhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)を産生します。これは重要なホルモンで、免疫抑制作用(母体が胎児を拒絶しないため)、血管新生促進、アポトーシス抑制、細胞浸潤能亢進という作用があって、妊娠成立のために必須です。
そして驚くべきことに、癌もhCGを産生します。たとえば、妊娠の可能性のない人の尿検査をして、尿中hCG陽性なら、まず間違いなく癌です(感度92%)。
つまり、hCGは、喜ばしい妊娠マーカー(「おめでたですよ」)であると同時に、悲劇の癌マーカー(「残念ながら癌です」)でもあるということです。
もちろん、両者はまったく同じではありません。トロホブラストには、分化の方向性があります。胎盤ができ、へその緒ができ、という具合に、様々な器官に分化していく分化能がありますが、癌はひたすら増殖、浸潤、転移を続ける。つまり、分化能がない。その違いはありますが、逆に言うと、それだけの違いです。
後の研究でいろんな癌マーカーが発見されましたが、癌の分化の程度に注目して整理すると、系統的に把握できます。

癌マーカーといえば、「CAなんとか」みたいなイメージがありませんか。「CAなんとか」は、それぞれの臓器に発現する特徴的なマーカーで、癌としての分化度はけっこう高い癌だといえます。
AFP(アルファ胎児タンパク)とかCEA(癌胎児抗原)なんかは、その名前(胎児なんとか)が示すように、CA系よりは分化度が低いマーカーです。
胎児よりももっと先祖返りして、最も未分化な癌になると、hCGが高くなります。一般に、未分化な癌ほど予後不良だし、hCGの血中濃度が高いほど、癌の悪性度が高いことも知られています。
受精卵(胎児)が自身を守るための機構と、癌の生存戦略が一致している。
ビアードのこの発見は、癌の何たるかを知るうえで、極めて画期的でした。さらに彼は、こう考えました。「胎児がトロホブラストの成長を制御する方法を発見できれば、それを癌の治療に応用できるのではないか」

着床したトロホブラストがどのように浸潤、増殖してゆくのか。また、どのタイミングで分化して、胎盤や臍帯に変化してゆくのか。詳細に研究した結果、彼は、胚発生から56日目、ちょうど胎児の膵臓が酵素を分泌し始めるタイミングで、分化能が変化することを突き止めました。
子宮壁に食い込み、増殖を繰り返し、血管を張り巡らせて、まるで癌そのもののように振る舞っていたトロホブラストが、膵臓酵素に触れるやいなや、分化し始める。未分化な細胞が胎盤を形成するようになり、へその緒を作るようになった。「膵酵素こそ、未分化から成熟の変化を促すシグナルではないか」
彼はさっそくマウスで実験しました。腫瘍を移植したマウスにトリプシン(膵酵素)を注入すると、見事に腫瘍が縮小した。膵酵素がhCGのシグナル(免疫抑制、血管新生、アポトーシス抑制)を打ち消し、正常細胞への分化を促進したのだと彼は考えました。
この説を引き継いだのが、ビタミンB17の発見者、アーネスト・クレブスです。彼はビアードの説「癌とは場違いなタイミングで生じたトロホブラストである」「膵酵素が癌細胞の分化を促進する」を全面的に認め、そこからさらに、彼独自の理論を構築しました。
クレブスの最も大胆な説は、これです。
「癌はビタミンB17欠乏症である」


大航海時代、多くの船乗りの命を奪った壊血病は、柑橘類の摂取により根絶されました。壊血病はビタミンC欠乏症だったということです。

日露戦争で日本兵の命を一番奪ったのは、ロシア軍の銃火器ではありません。脚気です。当時脚気は感染症だと考えられましたが、米ぬかの補給で一瞬のうちに解消されました。脚気はビタミンB1欠乏症だったということです。
同様に、クレブスは、癌はビタミンB17欠乏症だと考えました。実際、癌患者にビタミンB17を投与することで、彼は数多くの癌患者を治癒させました。ハロルド・マナー、ジョン・リチャードソンなど、クレブスの理論を採用して、癌患者の治療に成果をあげた医師は他にも多数います。
なぜ、ビタミンB17(アミグダリン)が癌に効くのか。その理論についても、クレブスは解き明かしています。
以下、ビタミンB17とアミグダリンは同じと思っていただいてけっこうです。ビタミンCをアスコルビン酸、ビタミンB1をチアミンと呼ぶのと同じようなものです。

アミグダリンは、体内でβグルコシダーゼという酵素により分解され、グルコース、ベンズアルデヒド、シアン化物が生じます。ベンズアルデヒド、シアン、試験管内でいずれも抗癌作用がありますが、両者の併用で効果が相乗的に高まり、単独投与のざっと100倍の抗癌作用があります。
ここで先回りして言っておきますが、テレビ、医師会、公的機関は「ビワの種はシアンを含むから危険!絶対食べるな!」などと喧伝しています。

これはもちろん嘘です。事実は「ビワ種ほど体にいいものはない」です。

長寿で有名なフンザ地方の住民は、あんずの種を大昔から常食してきました。シアンがそんなに危険なものなら、彼らは長寿どころか、とっくの昔に絶滅しているはずです。

シアンがそんなに危険というならば、ビタミンB12なんて猛毒ということになるけど、彼らはそういう矛盾には沈黙します。
なぜアミグダリンが癌に効くのか。説明の続きです。

アミグダリンを摂取して、それが癌細胞に取り込まれると、癌細胞にはβグルコシダーゼが高濃度に含まれていて、シアンが大量に発生します。これにより、癌細胞は大打撃を受け、アポトーシス(細胞死)に至ります。
βグルコシダーゼは口腔内、腸上皮、肝臓などにもあるので、そこでシアンが発生し、それが正常細胞に取り込まれますが、正常細胞にはロダネーゼという酵素が高濃度に含まれています。ロダネーゼはシアン分解酵素で、シアンをすみやかに無害なチオシアンに変換します。
自然の妙というべきか、癌細胞にはロダネーゼ(シアン分解酵素)がほとんど含まれておらず、βグルコシダーゼが大量に含まれているため、シアンの毒性をモロに受けます。一方、正常細胞にはβグルコシダーゼがほとんど含まれていないため、正常細胞の内部でシアンが発生することはほぼありません。
この、正常細胞内におけるロダネーゼ >βグルコシダーゼ、癌細胞内におけるβグルコシダーゼ >ロダネーゼの酵素配分こそが、アミグダリンの癌選択毒性のキモとなる部分です。
いや、さきほど、シアンが正常細胞に取り込まれると、ロダネーゼによって無害なチオシアンに変換されると言いましたが、本当のことをいうと、チオシアンは、無害どころか、それ自体、抗癌作用のあるありがたい物質です。

チオシアンを多く含む食材は、そのままイコール、抗癌作用のある食材と考えてもいいぐらいです。たとえば、アブラナ科植物(キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、ワサビ、アブラナなど)、パパイヤの種など、積極的に食べれば癌予防にいいですよ。
というか、ごく微量のシアン毒なら、上手に活用できるのが人体のすばらしさです。

先ほど言ったように、βグルコシダーゼは癌細胞以外にも、口腔、消化管、肝臓などにもあって、口腔でシアンが生じれば、抗菌作用により、虫歯予防、風邪予防にもなる。腸で生じれば、都合がいいことに、悪玉菌だけを殺してくれて、蠕動運動活発化、食欲増進作用がある。血中でシアンが生じれば、造血が促進され、血圧の調整作用もある。
癌患者では、食欲低下、貧血が見られるものだけど、そういう点でも、アミグダリンは好ましい影響を与えるということです。

アミグダリンがβグルコシダーゼにより分解されると、シアン以外に、ベンズアルデヒドも発生します。このベンズアルデヒドは、代謝されて、安息香酸になります。安息香酸には鎮痛作用があるので、頭痛持ちの人はロキソニンじゃなくて、りんごの種を1個でも食べればいい。そのほうが、よほど無害な鎮痛薬になります。癌の末期患者は痛みに苦しむものだから、この点でもアミグダリンは優れている。
ざっと、シアンを多く含む食材を挙げてみる。

キャッサバをご存知ですか。東南アジアの原住民は、何十万年という太古の昔から、キャッサバを主食として食べてきました。シアンが毒物なら、やはり、とっくの昔にこの地域の人たちは絶滅していたはずです。
ちなみに、一時期大ブームになったタピオカはキャッサバを原料として作られます。砂糖も大量に含まれているからお勧めはしませんが。
キビなどの雑穀、そばにもシアンが含まれていることを知る人はあまりいません。
そして、なんといっても、バラ科植物の種ですね。梅、ビワ、杏、さくらんぼ、桃、りんご、アーモンド、プルーン、イチゴなどがあります。梅の種、桃の種なんて、固いけれど、とんかちで割って食べればいい。ビワの種、りんごの種、アーモンドは食べやすい。

ビタミンB17は水溶性で、体内で代謝されると2、3時間で排出されます。水溶性ビタミンなので過剰症の心配はない。むしろ、癌を治す目的で食べるのなら、2,3時間のおきにナッツを食べる感覚で、ビワ種を食べるといい。
たとえば、ネットで拾った画像。

癌と診断されたが、いわゆる標準治療が嫌で、ビタミンB17療法をすることにした。あんずの種を1日40個食べたところ、癌が治ってしまった、という話。
数か月前に上記のビアード、クレブスの仕事を知って以後、当院でも癌患者に酵素の積極的服用、アミグダリンの積極的摂取を勧めるようになりました。アミグダリンの錠剤を処方したり、アミグダリンの点滴をしています。ゲルマニウムとの併用はすばらしくて、癌の縮小、癌マーカーの低下の報告もちらほら見られるようになりました。
「ビワの種を食べるようにしてください」などと患者に指導すると、みなさん一様に驚かれます。
治癒への第一歩は、まず、公的機関による偏見の除去から、です。