ルミンA、飲尿療法、インターフェロン

林原といえば、僕にとってはルミンAのイメージです。

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ルミンAは、ビタミンでもミネラルでもなく、色素なんですね。写真の現像に使うような感光色素に、ある種の健康効果が見いだされたという。

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ルミンAなどという名前は戦後につけられたもので、もともとは「虹波」といって、かつて日本軍が満州で研究開発していた。
ハンセン病の患者を相手に虹波の有効性を試す人体実験をしていたとして、戦後(ごく最近でも)批判されることが多いけれど、研究資料によると、虹波のハンセン病に対する有効率は8割を超えていた。

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インフォームドコンセントのない人体実験であり、今日の価値観からみて許されないことは言うまでもない。しかし、当時不治の病と忌み嫌われていた病気に対し、新薬として有効性があったとすれば、実に画期的なことだ。
この虹波は、戦後「ルミンA」と名前を変えて、林原が製造販売を請け負った。林原が潰れて以後、別の会社が引き継いでいる。同社のHPによると、著効する疾患は数多い。

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ルミンAについては過去の記事で何度か書いたこともある。
https://clnakamura.com/blog/2735/

入谷さん
「私はね、そういう研究はあまり信用していません。日本軍がやっていた実験だからとか、そんな理由ではないですよ。私はすべて、研究というのは何割か割引いてみるようにしています。それは私の研究者としての性です。
ルミンA、いいものだと思いますよ。効くと思います。リポ多糖と同じで、細胞に刺激を与えて、様々な生理活性を生じる。ただし、万能だとは思わない。この手の物質は、量が多かったり長期間飲むと効果が落ちます。だから、飲むとすれば3日に1回の服用でいい。毎日飲む必要はない。

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毎日飲むとすれば、これ。プロポリスです。私は40年間毎日飲んでいます。
ただし、これも飲み過ぎてはいけない。私も苦い経験をしました。
7年前名古屋に出張中に倒れて病院に運ばれた。心臓を調べると心膜に水がたまっていた。水を抜いて復活したけど、死にそうになった。
プロポリスを毎日60滴ほど飲んでいたので、そのせいだと思って、今は1日15滴ほどに減らした。それで何も問題ない。
民間療法だけど、スズメバチの焼酎漬けが心臓病にいいという話がある。スズメバチから出る少量のハチ毒が、ニトログリセリンと同じような強心作用があるんだな。舌下で飲むと特に効く。でも、飲み過ぎては薬も毒になる

舌下吸収の有効性
林原でインターフェロンを研究していた頃、アフリカでエイズが流行していた。某国では国民の4割がエイズに感染しているという話もあって、国際的な危機意識があった。
普通、インターフェロンは5千単位とか1万単位を注射で打つところ、アメリカの研究者が舌下投与を提唱した。それも2単位、多くても100単位で十分効くと。追試すると、確かに注射よりも舌下投与のほうがはるかに効く。
飲尿療法という健康法がある。膀胱癌などの癌が治ったという学術報告があるし、戦場でマラリアにかかった兵士が自身の膿まみれの尿を飲むことで一晩で完治したというエピソードもある。いったいどういう理屈なのか。
飲尿療法の歴史は古く、キリストにさかのぼります。キリストが「万病を治す命の水を発見した」という。何かというと、おしっこなんだ。キリストが12人の弟子を集めて、教えの普及と同時に飲尿による病気治療法をも広めた。
多くの人にとって、これは直感に反します。「不要な老廃物を排出するのが尿なんだから、毒だろう。病気になりこそすれ、治るわけがない」と。しかし調べてみると、尿には様々な有用物質が含まれている。たとえば成長ホルモン。たとえばインターフェロン。
大量に飲む必要はない。おちょこ1杯をしばらく口腔内に含んでおく。すると、咽頭にあるセンサーが尿中の有用物質を感知して、IgAを産生し、すぐに全身に効果が出る。
実はこれはアルコールも同じです。酒をすぐに嚥下するのではなく、しばらく口腔内に含むような飲み方をすると、すぐに酔いが回る。のど元のセンサーはごく微量の物質でも感知するからです。
のど元で作られたIgAは全身をめぐって、新たな情報を記憶して、またのど元に返ってくる。それで、ますます免疫賦活が強くなる。
プロポリスも、慣れない人は1滴でいい。1滴をなめて、しばらく口に含んでおくといい。
インターフェロンも5千単位とか注射で打つ必要はない。10滴でもいいから舌下投与するといい。「これはすばらしい報告だから、もっと広めましょう」と会社に進言したけど、上司の反応は冷淡だった。そんなごく微量の投与ではもうからないからです」

インターフェロン飴のようなあめちゃんを作ればよかったのでは?
「そう、私も同じことを考え、実際に作りました。
マルトースをベースに、そこにプロポリス、インターフェロンを入れた。厳密には、インターフェロンというか、ハムスターから抽出した細胞液。細胞液のなかには、インターフェロンのカスはもちろん、TNFも入ってるし、その他、未知の成分もいっぱい入ってる。カスなので、とにかく安い。
これをトローチにして、癌患者に配ったところ、「治った!」という報告が続々と寄せられた。
もともとこの発案者は社長でした。「インターフェロンの残りカスを何とか有効活用できないか」ということから話が始まった。それで、トローチを作ったところ、癌に劇的に効いた。この報告を聞いて、社長は喜ぶどころか、恐ろしくなった。こんな少量で癌が治ってしまっては、製薬利権を敵に回すからです。それで林原は、インターフェロン研究から手を引いてしまった。
製薬業界は魑魅魍魎の伏魔殿です。「効くものなら売れるだろう」という単純な世界ではありません。効き過ぎるから売れない。販売できない。そういうことも本当にあるんです。

インターフェロンとOH1、これの正体はTNFなんだけど、これを1対1に混ぜると強力な抗癌剤ができることについては、厚労省に発表しました。ただ、届け出る前に、某A製薬会社と提携関係にあったので、林原はA社の株を大量に買っていました。それでA社が癌の特効薬を出すとなって、A社の株価が200円から1万円に跳ね上がった。ぼろもうけと言いたいところだけど、インサイダーじゃないかと国会で答弁までされて、売るに売れず、塩漬けのまま。結局、新商品は売りだされることもなく、株価は元の200円に戻った。
いいですか、健康に付け込んで、金もうけしようなんて思っちゃいけません
林原はインターフェロンから手を引きました。インターフェロンはもともと体内にあるもので、人間も毎日5千単位ぐらい作っている。それをハムスターの体内で作らせるというアイデア自体はすばらしかった。現在主流のインターフェロンはタンクのなかで大量生産されていて、これで作られるのはインターフェロンβです。ハムスター法で作られるインターフェロンαは、もう手に入りません」

>中村篤史について

中村篤史について

たいていの病気は、「不足」か「過剰」によって起こります。 前者は栄養、運動、日光、愛情などの不足であり、後者は重金属、食品添加物、農薬、精製糖質、精白穀物などの過剰であることが多いです。 病気の症状に対して、薬を使えば一時的に改善するかもしれませんが、それは本当の意味での治癒ではありません。薬を飲み続けているうちにまた別の症状に悩まされることもあります。 頭痛に鎮痛薬、不眠に睡眠薬、統合失調症に抗精神病薬…どの薬もその場しのぎに過ぎません。 投薬一辺倒の医学に失望しているときに、栄養療法に出会いました。 根本的な治療を求める人の助けになれれば、と思います。 勤務医を経て2018年4月に神戸市中央区にて、内科・心療内科・精神科・オーソモレキュラー療法を行う「ナカムラクリニック」を開業。

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