
岩崎明子さんは生まれ育ったのは日本だけど、16歳のときに日本の高校を中退してカナダの高校に入学し、そこからは北米一筋。トロント大学で博士号をとり、今はイェール大学免疫生物学部門の教授をしている。才媛とはこういう人のことを言うのでしょうね。

男性優位な社会において、女性でありながら、おまけにアジア人でありながら、米国の一流大学の教授にまで上り詰めたというのは、男女同権を主張する人にとって、お手本のようなサクセスストーリーで、界隈で大いに注目されました。

2024年にはTIME誌の『今年の100人』にも選ばれた。
イエール大学としても、こんなに優秀な人を教授に抜擢した先見の明を誇りたいような気持ちでしょう。
この岩崎教授、免疫が専門だけあって、コロナ禍において、当初からコロナ感染、特にコロナ後遺症(long COVID)の恐ろしさについて、SNSやメディアを通じて積極的に発信していました。
2020年末から始まったコロナワクチンについて、接種の重要性を一貫して強調してきました。
「重篤なアウトカムを軽減し、long COVIDを予防し、ウイルスのインパクトを緩和するためには」、コロナワクチンの接種が極めて重要だとし、さらに、
「ワクチンによってlong COVIDのリスクを軽減できるし、その効果は用量依存性に高まる」として、複数回接種を呼びかけました。さらに、
「すでにコロナにかかった人もワクチンを打って、しっかり免疫をつけるべき」とし、コロナにかかったことがある人への接種も勧めた。さらに、ワクチン忌避に対して、「バカげている」とかなり強い言葉で未接種を批判しました。
完全なる「ワクチン推進派」だったわけです。

この岩崎教授が、今年の2月に論文を出しました。コロナワクチン後遺症(PVS)を真正面から取り上げた研究です。
コロナワクチンを打った後、慢性的な諸症状に苦しむ42人(PVS患者)と、ワクチンを打ったけど何も症状がない22人をコントロール群として、各種の検査を行ったところ、PVS患者では、CD4T細胞が減少し、CD8T細胞が増加しており、抗スパイクタンパク抗体価が低く、エプスタイン・バーウイルス(EBV)が活性化していることが分かりました。さらに、PVS患者の血中から、スパイクタンパクが検出されました。
これは製薬会社の説明と矛盾しています。ファイザー社は「接種後に作られたスパイクタンパクは数日で消えていく」と説明していました。
岩崎教授も「最後のコロナワクチン接種から700日も経ってスパイクタンパクが血中を循環しているのは驚きです」とコメントしている。
「今回の研究でPVS患者に特有の生物学的マーカーがいくつか分かりましたが、かといって、PVSのすべてを統一的に説明できるわけではありません。免疫機能の破綻により慢性症状をきたしている患者もいれば、EBVなどのウイルス再活性化により症状が遷延している患者もいる。それぞれの症例で、体内で何が起こっているのか、詳細に研究していく必要があります。今回はまだ研究の始まりにすぎません。
それと、あらゆる医療行為には一定のリスクがつきものです。大事なことは、ワクチンによって副反応が起こり得ることを認めることです。今なお後遺症に苦しむ患者の体内で何が起こっているのか、その理解が重要であることはもちろんですが、同時に、長期間にわたって症状に苦しむ人に対して、思いやりと優しさで接することも大切です」
この論文に対して、イエール大学関係者は頭を抱えました。
なぜなら、イエール大学は、他の多くの大学同様、コロナワクチンの接種を積極的に推奨したからです。いや、推奨どころではありません。「打たない者は授業の聴講を許さない」と事実上の強制さえありました。
遠い過去ではありません。ほんの数年前のことです。関係者は皆そのことを覚えています。
しかし、この岩崎論文は、ワクチン後遺症の存在を全肯定してしまった。
「接種の強要により体調を崩した学生が、大学を相手に裁判でも起こしたら?」大学関係者としては、いろんな不安が頭をよぎります。
イエール大学としては、Akiko Iwasakiは『大学の顔』ともいうべき名物教授だけれども、このような論文は感心しない。だから、無視する。
大手メディアも、この論文に対して、同様の対応をしました。触れない。話さない。決して報道に乗せない。
しかし、SNS界隈は沸き立ちました。
「イエール大学がついにワクチン後遺症の存在を認めた!」といった主旨のの投稿が大いにバズりました。

「イエール大学の科学者がキャリアを賭けてコロナワクチン後遺症患者のメッセージを発表」

科学者とはかくあるべき、という生き字引のような人だ。
「間違えない」のがすごい科学者なのではなくて、その都度その都度で、きちんと科学的に説明を与えられる人こそが、一流の科学者だと思います。
ただ、岩崎教授は「コロナワクチンは間違いだった」とまでは言ってないと思う。というか、「コロナワクチンは多くの人をコロナから救ったが、ごく一部、接種の後遺症に悩んでいる人がいる」程度の認識かもしれない。
それでも、接種者に目を向けてくれた。その存在をきちんと肯定してくれた。それは勇気がないとできないことだ。
日本で言えば、

これとか、

これとかが、
「ワクチンを手放しに推奨したことは間違いでした。接種後に亡くなった方、あるいは今も後遺症に悩んでいる方。申し訳ありません」
などと言えるかというと、1億%言わない。そんな勇気、こいつらには絶対にない。
イエール大学という米国の名門大学の研究者が、コロナワクチン後遺症(PVS)の存在を真正面から取り上げる論文を書き、実際、PVSに特徴的な兆候をいくつか明らかにした。
これを皮切りにして、世界中で同様の研究が行われてほしい。そして、こうした研究成果を、大手メディアが報道してほしい。でも、残念ながら、それはないと思う。ワクチンは、今後も、国民管理の手段であり続ける、と僕は見ています。各個人が覚醒し、我が身は自分で守るしかありません。