沢田市予防接種健康被害救済制度調査委員会
郷田委員長 えー、それでは委員会を始めましょうか。今回健康被害の申請があったケースについて、事務方より説明をお願いします。
竹本係長 報告は、沢田市絹見在住のMKさん、58歳女性です。MKさんは2021年6月20日に近くの真島医院にてコロナワクチンの1回目を接種し、その11日後、2021年7月1日に死亡しました。死因は大動脈解離との診断です。
郷田委員長 ありがとうございます。経過につき、事務方に質問はありませんか?
それでは、ワクチンと死亡との関連につき、協議に入りたいと思います。委員の先生方、忌憚のない意見をお願いします。
まず、三沢先生にお聞きしたいのは、ワクチン接種後にスタンフォードA型の急性大動脈解離など起こるものなのでしょうか。
三沢委員 聞いたことがありません。
郷田委員長 ありがとうございます。コロナワクチン接種と大動脈解離との関係ということですが、西島委員、このような症例はどれぐらいあるのでしょうか。
西島委員 沢田市では起こっておりません。
郷田委員長 全国的にはどうでしょう。
西島委員 国のほうではあるようです。ただ、それについても、因果関係はどうでしょう。
郷田委員長 ないということですか?
西島委員 はい。
郷田委員長 この方の経過報告を見ていて、少し気になったのは、接種の7日後に背中に強い痛みを訴え始めた。そのとき「湿布を張ると楽になった」という記述があるんですね。症状が大動脈解離だったとして、それが湿布を張って軽減するだなんて、そんなことはありえるのでしょうか。竹本委員、どうですか。
竹本委員 そもそも大動脈解離というのもは、動脈硬化が時間をかけて進行し、徐々に解離が進むものです。ワクチン接種後11日後に大動脈解離を発症して死亡というのは、因果関係としてあり得ないと考えます。
三沢委員 同感です。発症機序として、医学的にありえません。
郷田委員長 先生方、貴重なご意見ありがとうございます。それでは、皆さんの意見をおおまかにまとめると、「情報の不足により関連性の判断がつかない」従って、「あとは国の審議に任せる」ということで、救済申請の棄却、ということでよろしいでしょうか。
一同 異議なし。
郷田委員長 ありがとうございました。では、遺族には不支給決定処分だと通知します。本日の協議は以上です。
乱入者 ちょっと待ったー!
郷田委員長 何者だね、君!
乱入者 解散はちょっとだけお待ちください。その前に、私の話を聞いてください。長く時間は取らせません。
まず、申し遅れました。私、神戸市で医院をしております中村篤史と申します。
あのさ、委員のみなさん。もっと単純に考えられないんですか。
MKさん。コロナワクチン打つ前は、とても元気でした。
ワクチン接種の2か月前の採血データもある。肝臓も元気で、腎臓も元気。持病は何一つない。
そんな人が、コロナワクチンを打って、11日後に死んだ。
ワクチンが原因に決まってるでしょうが!
大の大人が雁首揃えて、なぜそんな簡単なことも分からないんですか?
はっきり言いますけど、みなさん、あまりにも不勉強です。
コロナワクチン接種後に大動脈解離を起こした症例は、すでに世界中で数えきれないほどの報告があります。
たとえば、こんな論文です。

『コロナワクチン接種後に心筋炎、心膜炎、大動脈解離を生じた一例』
https://www.opastpublishers.com/open-access-articles/case-of-myocarditis-pericarditis-and-fatal-aortic-dissection-following-covid19-mrna-vaccination.pdf
既往症のない健康な34歳男性が、コロナワクチン1回目を接種した16日後に大動脈解離を起こし、そこから心タンポナーデが起こり、まもなく死亡した事例です。著者らは、「コロナワクチン接種後の心血管系イベントは一般に考えられているよりも高い頻度で起こる」と警鐘を鳴らしています。
さきほど、「大動脈解離は動脈硬化が徐々に進展することで解離が進む」みたいなことを言う委員がいましたが、これは一般の大動脈解離とワクチン接種後の大動脈解離を混同しています。
既往症のない健康な34歳男性が、ワクチン接種後にいきなり大動脈解離を生じてるんですよ。動脈硬化の有無なんて、まったく無関係です。
もっと挙げましょうか。この論文を見てください。

『コロナワクチン接種後に組織リンパ球性心膜炎と大動脈炎を合併した大動脈解離の1剖検例報告』
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36191411/
「90歳代の男性が、全身倦怠感と呼吸困難が数日続いたため受診した。心不全と診断され、利尿剤を3日間服用したところ症状は緩和した。しかし、受診から4日目の朝に死亡が確認された。死亡の約2週間前にコロナワクチンの3回目を接種していた。剖検の結果、上行大動脈の解離と心膜血タンポナーデが認められた。心臓は白色の絨毛状表面を示し、心膜は繊維状に厚かった。顕微鏡検査では、主にマクロファージとリンパ球浸潤を伴う心膜炎が認められた。これらの組織学的所見はワクチン接種後の心筋炎と一致した」
やはり、接種後、大動脈解離を生じ、その後の心タンポナーデが直接の死因になった症例です。
興味深いのは、著者らがその発症機序に言及していることです。「大動脈の外膜で炎症が起こり、そのために大動脈壁が脆弱化し解離を起こした」とのこと。
ワクチン接種により、強い炎症が起こり、そのせいで大動脈壁がもろくなり、解離が起こるわけです。
もうひとつ。

『コロナワクチン誘発性心筋炎の症例における剖検所見』
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/ehf2.14680
この論文は大動脈解離とは直接の関係はありませんが、コロナワクチン接種後の心筋炎が死因の可能性がある剖検報告についての系統的レビューです。
「28例の剖検例を含む14件の論文があり、そのうち26症例では心血管系が症状の出た唯一の器官だった。残り2症例では、心筋炎は多臓器炎症症候群の結果だった。死亡時の平均年齢は44.4歳、最後のコロナワクチン接種から死亡までの平均日数は6.2日、中央値は3日だった。各論文に記載された臨床情報を検討すると、28例すべての死亡がコロナワクチン接種との因果関係が高いことを確認した」
ワクチン接種後に心筋炎を含む心血管系イベントを生じる可能性があることを、このレビューは明確に論じています。
接種後に亡くなった人の病理組織を詳しく調べる研究者の言葉も紹介しておきましょう。
病理医のアルネ・ブルクハルト教授が、以下のように述べています。

https://www.thelastamericanvagabond.com/arne-burkhardt-interview-12-23-23/
「大動脈解離は本来まれな疾患です。コロナワクチンの大規模接種が行われる前は、年間行われる剖検1500から2000症例のうち、大動脈解離は1症例か2症例程度でした。しかし、コロナワクチン接種後に死亡した75症例を剖検したところ、5症例が大動脈解離を起こしていました」
つまり、コロナワクチンの開始後、大動脈解離は、ざっと50倍~130倍も増えている。これが現場の病理医の肌感覚です。
いいですか。もう一回、お手元の資料を見てください。MKさんの経過です。
コロナワクチンを接種したその日から、接種側の腕の腫脹と挙上困難から始まり、5日後には両足の浮腫、6日後には肩や腰など全身の痛みが生じ、7日目には背中の強い痛みを訴え始めました。背中の痛みは次第に激しくなり、ついに11日後、死亡。大動脈解離の診断となりました。
接種後、体内でサイトカインストームの嵐が巻き起こった。それは、最初は接種部位や接種側の腕に限局していたものの、浮腫や全身の痛みなど、全身に波及し、ついには心臓で炎症が起こり、最終的に大動脈解離を起こし、死に至った。
何も不審な経過ではない。この経過を見れば、死因をコロナワクチン接種に起因する大動脈解離と考えるのは極めて自然です。
それがまぁ、これだけ多くの雁首そろえて、全員が「接種後に大動脈解離になることはあり得ない」だなんて、よくも言えましたね。
こんな不勉強なあなた方に、因果関係のジャッジを下される死亡者が気の毒です。浮かばれませんよ。自分なら化けて出ますよ。
【追記】
上記の文章の前半は、ほぼ事実です。
信じられないかもしれないけど、上記で書いたように、委員会で行われる因果関係の検討って、マジで超テキトーだよ。実際、MKさんはワクチン接種と死亡との間に因果関係を認めてもらえなかった。
後半、僕が乱入したあたりの記述は、もちろん僕の妄想です(笑)
ただし、僕の主張する内容自体は、極めて正当なものだと思っています。
市の公表した資料を読んでいて、あまりにももどかしくて、腹立たしくて、「自分ならこんな演説を委員の前で展開するのに!」と思いました。