初診の患者には必ず、ルーチンとして「白砂糖、小麦、乳製品は控えめに」と言っているんだけど、多分ほとんどの患者はこの言葉の真意を理解していない。だから、彼らは自分の都合のいいように「ちょっとぐらいはいいだろう」と解釈する。別にそれはそれでかまわない。「食の喜び」は人生の楽しさのひとつである。「甘いものが一切食べられない人生なんてありえない!」とか「小麦のおいしさがどれほど人を幸せにするか、分かっているのか!?」などと反論されれば、お説ごもっとも、まったくその通り。異論はない。人にはそれぞれの価値観がある。「健康のために食の喜びを犠牲にするなんてバカげている」という主張は理解できる。僕は医者だから目の前の患者の健康増進のために助言する立場だけれども、かといって、自分の助言がその人の価値観と衝突し人生の質を損ねるようであれば、当然無理強いしない。「別に無理にとは言いませんからね」と逃げ道も残しておく。
でも本音としては、精神疾患の患者は、小麦を1ミリたりとも食べるべきではないと思っている。「1ミリはダメでも、1マイクロならいいか?1ナノはどうか?」と問われれば、「もう好きにしなさい」と答えます(笑)
「統合失調症の発症率は世界各国でだいたい一定で、100人に一人、つまり1%程度である」と医学部で教わった。しかしこれは、嘘だと思っている。この説にはまったく根拠がない。統合失調症がまったく存在しないコミュニティは存在するし、逆に、統合失調症が多発する地域もある。たとえば、妊娠中にワクチンを打つ。それだけで、小児の統合失調症罹患率は跳ね上がる。つまり、この病気は遺伝ではなく、後天性疾患だと思っています。


ニューギニアの原住民はかつて狩猟採集の生活を営んでおり、精神病なんてほぼ皆無だった。具体的には、統合失調症の発症率は0.003%(住民6万5千人あたり2人)だった。しかし白人が住み始め、原住民たちの間にも次第に西洋の食習慣が浸透し、やがて小麦を常食するようになると、統合失調症の発症率は65倍に急増しました。

第二次世界大戦中、食糧不足で小麦の入手が難しかった時期、フィンランド、ノルウェー、スウェーデン、カナダ、アメリカでは男女とも統合失調症による入院数が減少したが、終戦後小麦の消費量が増えるにつれて入院数が増大しました。

こうした傾向に気付いたアメリカの医師カーティス・ドーハン(1907~1991)は、「統合失調症の発症率には地域差、時代差が明らかに存在する。そして、その発症には小麦の摂取が大きく影響している」との仮説を立て、この仮説の証明を試みました。

1960年代半ば、フィラデルフィアの病院に勤務していたドーハンは、入院患者の食事から小麦を除去した。すると4週間後には、入院患者の全員で症状(幻覚、妄想、幻聴、自閉など)の改善が見られた。そこで再び患者の食事に小麦を戻すと、症状はまた再燃した。再び小麦を抜くと、また回復した。もう、あからさまにコロコロ変わる。結果は誰の目にも明らかだった。

この研究は患者らに一切通告せず行われたため、今なら倫理審査を通らないだろう。しかし、当時の倫理基準のゆるさのおかげというべきか、ドーハンはこの結果を論文にまとめて公表した。この論文は世界中の研究者の関心を掻き立て、あちこちで追試が行われた。イギリスのシェフィールド大学をはじめ、同様の結果が得られた。なかには統合失調症が完全寛解した症例報告さえあった。たとえばデューク大学の医師によると「53年間にわたって幻覚・妄想に悩まされ、何度も自殺未遂をしていた70歳の統合失調症女性が、8日間の小麦断ちで寛解した」という。
こうした報告により、ドーハンの仮説はすっかり立証された形となった。
要するに、小麦をやめれば治るし、小麦を摂れば発症する。つまり、統合失調症は小麦病と言っても過言ではない。
しかし現代の精神科臨床で、統合失調症患者について「小麦を食べないように」という指導が一般的に行われているか?
否。断じて否。そんな指導をする医者はまずいない。
不思議ですね。原因は小麦だととっくの昔に分かってる。それでも、その原因を除去するような指導が行われない。
それは、僕ら医者自身が無知だからです。医者が無理な理由は、医学部教育でそんなことを教わらないからです。医者さえも真実を教えられていないからです。
統合失調症に限らない。本当の原因は分かっているのに、その原因の除去が行われない。そんな病気は他にもたくさんあります。
もはや、みなさん、病院に頼ってはダメですよ。病気を治してもらおうと思って病院に行っても、的外れの指導と毒にしかならない薬を処方されて終わりです。今の時代を生き抜くには、知識で武装するしかありません。