いい人で終わらないために

若い男性がこんなふうに言うわけです。
「好みの女性と仲良くなりたいけれども、『いい人』で終わってしまうことが多い。どうすればいいでしょうか」
『いい人』というのは、『どうでもいい人』みたいなこと?
「そうです。お互い悪い感情を持っているわけではない。かといって、お互い深く踏み込めない。映画見て食事して『じゃまたね』という具合に解散。そういうデートを2回ほどして、関係性が終わります。こういうパターンばかりなので、婚活自体にちょっと疲れています」
こういう人は案外多いと思う。別にこの男性、ルックスは悪くない。特別男前ではないかもしれないけど、好意を持つ女性はいると思う。
「いい人すぎるんちゃうかな?いや、いい人っていうか、相手にもっと自分をアピールしないといけないよ。自信を持って。自分を出したら嫌われるかもなんて思わないで、言いたいことをバンバン言ったほうがいい」
などと助言しながら、そんなことを偉そうに言ってる自分が内心恥ずかしかった。大して恋愛経験多くもないくせに未接種婚活なんて主催してさ。むしろ、僕のほうが指導を受けたいくらいです(笑)

胸がキュンとくる瞬間を大事にしないといけない。

坂本龍一(2023年3月28日死去。71歳没) 高橋幸宏(2023年1月11日死去。70歳没) 

ただし、ワクチン接種後の心筋炎を胸キュンとは言わない。

ビビビっという直感も大事です。

会って、何事もなく終わるというのは、彼女、起承転結のない小説を読んでいるようにつまらないと思ったんだろう。そりゃ2回で終わっちゃうだろうさ。いや、1回で終わらず、2回目があったことに感謝すべきだろうね。「つまんねえな」と思ったけど、辛抱強く読み進もうと思ってくれた。でも「やっぱりつまらない。もう無理」となった。チャンスを2回くれたわけで、優しい女性だよ。
繰り返すけど、直感とか本能が大事だよ。あまり頭で恋愛しちゃいけない。
一緒にいて、ふとした瞬間の横顔がきれいに見えたら、「きれいやね」とそのまま言葉に出して言ってみる。「え、何が?」と言うだろうから、上を向いて「ほら、そこの屋根がきれいだなと思って」とでも言えば、1笑いゲット。いや、これは冗談だけど、とにかく相手の心に自分を印象付けることです。
あと、さりげないタッチも重要です。自然な流れのなかで、手と手が触れ合う。笑いながら、肩をポンと叩く。触れたいと思ったら、触れる。その反応で、拒絶かオッケーか、すぐに分かる。拒絶なら深追いしない。

ある女性の話
「ビートたけしの再婚相手がどんな人か、知ってる?たけしの誕生日パーティーの席で、初対面のあいさつをした。たけしが名刺を渡すと、「ビートさんっておっしゃるのね。珍しい名前」この言葉がたけしの気を引いた。「俺のこと知らないのかい?」「私テレビはまったく見ないの」この日以後、たけしのほうから積極的に食事に誘うようになった。
あと、千原ジュニアの結婚相手について、こんな話がある。ある飲み会の席で出会った女性。飲み会が終わり、ジュニアはその女性にタクシー代を渡した。次に会ったとき、彼女はタクシー代のおつりと領収書を封筒に入れてジュニアに返した。ジュニアはこれに衝撃を受けた。「なんてきっちりした人なんだ!」と。その後この女性と結婚することになり、結婚を決意した理由として『金銭感覚の一致』と言っている。
私、この話を聞いたとき、なんてつまらないんだと思った。たけしのことを知らない人なんていると思う?「ビートさんっておっしゃるのね」なんて寒い小芝居に、あのたけしも引っかかってしまう。芸能人はこんな簡単なテクニックで落ちるのか、とびっくりした。こんなの、相手への配慮というより、単に「自分をよく見せるための技」だよ。あざといだけ。
あなた、女性誌、読んだことある?こういう『モテ技』特集みたいなのばっかりだよ。他にも「自分だけの呼び名をつける」とか「3回目のデートまで肉体関係は拒否する」とか、いろいろあるんだよね。
でも、どれもただのテクニックでしかない。恋愛で駆け引きは確かに効果的なときもあるから、それに心ひかれるのはいいけど、そんな本質とはかけ離れたものが、相手の魅力の肝になってしまうのは浅いなと思う」
「ずっと昔のことやけど、ある女性とレストランで食事して、次におしゃれなバーで飲んで、お互いのこと深く語り合って、いい感じになった。バーを出て一緒に歩きながら、ホテルの前で「ちょっと休んでいく?」と聞いた。流れとしては、オッケーの雰囲気があったから。でも、いざ誘ったら、「今日はやめとこうね」って。俺、無理には誘わへん主義やから、「そうやな、帰ろか」って話合わせて、そのまま何事もなく家に帰ったけど、ムカついたというか白けたというか、その子にはもう二度と連絡せんかった。
何かって言うと、俺はそのとき、マナー違反やって思ったの。オッケーっていう雰囲気漂わせといてさ、さて、実際に誘われたら拒否って、それ男に失礼やろって。
でも、今の指摘で思ってんけど、その子ひょっとしたら、女性誌の特集にある「3回目のデートまでは肉体関係を拒否する」みたいなのを実行してたんかもしれんな。
だいたい雰囲気とか素振りで分かるやんか。誘ってオッケーかどうかって。でもその子は、自分の本能じゃなくて、女性誌の教える知識を優先したんよ。『男性のハートをがっつりつかむためのテクニック10選』とか何か知らんけど、あえてそういうのを使おうとした。自分の本能を抑えて。
そうやとしたら、雑誌って罪作りやね。小手先のテクニックに走っていいことなんか、ひとつもないよ。俺に対して真剣やからこそ、そういう技を使おうとしたんかもしれへんけど、いや、そういうの、いらんから」
「そういう技巧的な拒否はあるでしょうね。でもあなたは白けてしまったと。あなたらしいね。でもこれは人によると思う。そういう拒否にあって、白ける人と、ますます燃え上がる人と。「つまらない女」と思うか、「なかなかやれない高い女」と思うか、解釈の違いかな。
その後彼女はあなたからメールがないことで、「やっぱりこの男は体だけが目的だった。拒否してよかった」と自分を納得させたと思う。だからきっと、次の男とも、最初のデートでの性的関係は拒否する。むしろますます頑なになるかも。
でも一番大事なのは本能だよ。本能をないがしろにする人は、なかなか幸せをつかめないんだよね。
あと、よくあるテクニックに「セックスの誘いに対して毎回は応じない」というのもある。彼女だから、夫婦だからいつでもできる、みたいに安心してる男を揺さぶるテクニック。あなたもそういうのをすべて「うっとうしい」と切り捨てる前に、そういう不自由を楽しむ余裕があってもいいのでは?(笑)」
「そういう駆け引きをするにも、それなりの関係性がないとあかんのに、大して関係性がないのに駆け引きをしてきたっていう、そのへんが人間のこととか男のことを分かってない感じがする」
「あなたはどういう女性がタイプなの?」
「うーん、明確にこういう人が好き、っていうのはないよ。好きになれば、その人がタイプやね」
「あなたが好きなタイプは分からなくても、あなたが合わないタイプは分かる。それは、たとえば、「髪を切ったことにすぐに気が付いてほめてくれるような人がいい」と言うような女性。いわゆるお姫様タイプ」
「それは大当たりやね。髪の毛切ったことを気付かへんかったら不機嫌とか、めんどくさすぎる。えらいもんで、そういう女は勝手に俺から離れていくわ。女のほうで「こいつは私の欲求を満たしてくれへん」って気付くんやろうね。君はどういう人がいいの?」
「私の好みはかなりうるさいよ。簡単には伝えられないけど、とりあえず一つ。
動物のオスっぽい感じが残っている人が好き。原始的な欲が残っている人。逆に、たとえば、いい車に乗りたい、いい時計が欲しい、みたいな人はあまり好きじゃない。そういう欲求は、人間文化から作られたいわば浅い欲だから。
女性の場合、お金持ちが好きという人が多いけど、それって動物のメスとしての本能が弱いと思う。まぁそういう人は人間が作った価値観のなかだけで人生を生きていくからそれでいいのかもしれないけど。でもたとえば、自家用ジェットを持っている男でも、私はそういう人を魅力的とは思わない」
「ルックスは見ないの?」
「見ないことはないけど、それで選ぶことはない。私の友達に、何よりもルックスを一番に重視する人がいる。その人は、バイセクシャルというか、男が好きとか女が好きではなくて、美しいものが好きっていう人。ゲイの男性を好きになったりする。私なら絶対あり得ない。私は、自分に欲情しない人を恋愛対象として認識することはできない。ゲイの人って、すごくカッコよかったりオシャレだったりする人が多いけど、そういうので好きになったりはしない。
さらに言うと、文化度が高い人がいい。じゃないと会話が合わないから。教養とか知的センスって、学歴とは相関しない。いわゆる一流大学を出た人でも、つまらない人はいっぱいいる」

理性と本能の両方を持つことが大事みたいです。理性は学校で教わるけど、意外に難しいのは、本能のほうです。「本能なんてもともと備わってるものだから、難しいもへったくれもないだろう」と思われるだろうけど、なんというか、『理性とほどよく調和した本能』にはバランス感覚が求められます。どっちか一方に振り切れたら楽だけど、恋愛ってそうじゃないんですよね。

>中村篤史について

中村篤史について

たいていの病気は、「不足」か「過剰」によって起こります。 前者は栄養、運動、日光、愛情などの不足であり、後者は重金属、食品添加物、農薬、精製糖質、精白穀物などの過剰であることが多いです。 病気の症状に対して、薬を使えば一時的に改善するかもしれませんが、それは本当の意味での治癒ではありません。薬を飲み続けているうちにまた別の症状に悩まされることもあります。 頭痛に鎮痛薬、不眠に睡眠薬、統合失調症に抗精神病薬…どの薬もその場しのぎに過ぎません。 投薬一辺倒の医学に失望しているときに、栄養療法に出会いました。 根本的な治療を求める人の助けになれれば、と思います。 勤務医を経て2018年4月に神戸市中央区にて、内科・心療内科・精神科・オーソモレキュラー療法を行う「ナカムラクリニック」を開業。

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